.png)
早稲田大学在学中から3社にて長期インターンを経験し、学生時代より実践的なビジネススキルを培う。就職活動では外資系コンサルティングファームから内定を獲得するも、インターンとして参画していた当社の事業に強く共感し、そのまま入社。現在はマーケティング領域の幅広い案件に携わり、戦略立案から実行まで一貫して参画している。

1990年代後半から2010年代初頭に生まれた「Z世代」は、スマートフォンやSNSが当たり前の環境で育ったデジタルネイティブ世代です。購買力と情報発信力を兼ね備えた彼らは、企業のマーケティング戦略においても最も注目すべきターゲット層となっています。本記事では、Z世代の定義・特徴・価値観から、効果的なマーケティング戦略まで、わかりやすく解説します。

Z世代の基本的な定義から、その名前の由来、世界における共通性、そして今なぜ注目されているのかを解説します。世代の仕組みを正確に理解することで、マーケティングや組織づくりの土台を築きましょう。
「Z世代」という呼称は、世代を英語のアルファベット順で命名する慣習に由来しています。20世紀半ばに生まれた「ベビーブーマー世代」の後に、アルファベット順に「X世代(Generation X)」「Y世代(Generation Y)」と続き、その次に登場したのが「Z世代(Generation Z)」です。
一般的に、Z世代は1996年〜2012年頃に生まれた人々を指します(研究機関によって多少のズレあり)。日本では2024年時点でおよそ12〜28歳前後にあたり、高校生から社会人になりたての世代が中心です。
「Z」はアルファベットの最後の文字であることから、「最後の世代」「ゼロから始まる世代」といった意味合いで語られることもあります。また、英語圏では「Gen Z」「Zoomers(ズーマーズ)」とも呼ばれ、特にアメリカでは社会的・文化的な議論の中心に位置しています。

Z世代は特定の国だけに存在する概念ではなく、世界共通の世代区分として使われています。インターネットとSNSの普及により、アメリカ・日本・ヨーロッパ・アジアいずれの国でも、同時代の文化・価値観・情報を共有できる環境が整っています。
たとえば、TikTokで流行したダンスや音楽はほぼリアルタイムで世界中に広まり、国境を越えたトレンドが形成されます。日本のアニメ・ゲームも海外のZ世代に深く浸透しており、文化的な相互影響が生まれています。
ただし、経済格差や文化的背景によって、Z世代の価値観や行動パターンには地域差も存在します。たとえば、経済的に安定した国のZ世代は「サステナビリティ」への関心が高い傾向がある一方、発展途上国のZ世代は経済的安定を最優先とするケースも多いです。グローバルな共通性と地域ごとの差異を両方理解することが重要です。
Z世代が企業・マーケターから注目される最大の理由は、その人口規模と購買力の高まりです。世界全体でZ世代は約20億人以上おり、すでに多くの国で労働市場に参入し始めています。日本でも毎年多くのZ世代が社会人となり、消費の主役へと成長しています。
また、Z世代は「情報発信者」としての力も持っています。SNSでの口コミや投稿が購買決定に直結する現代において、Z世代の支持を得ることはブランドの拡散力を大きく左右します。1人のZ世代インフルエンサーの発信が数万人・数十万人のフォロワーに届く時代です。
さらに、Z世代は消費の「先行指標」でもあります。Z世代がいち早く注目したトレンドが、後にミレニアル世代や一般大衆に波及するケースが多く、Z世代のインサイト(内なる動機)を掴むことが、次のビジネストレンドを読む鍵にもなっています。

Z世代はデジタルと現実を等価に捉え、独自の価値観・消費行動・情報収集スタイルを持っています。他の世代とは異なるその特性を、5つの視点から詳しく見ていきます。
Z世代の最大の特徴は、「デジタルネイティブ」であることです。彼らは物心ついた頃からスマートフォン・タブレット・高速インターネットが存在する環境で育っており、デジタルツールを使うことに対してまったく抵抗がありません。
具体的には、幼少期からYouTubeで動画を視聴し、小学生でSNSアカウントを持ち、中学・高校では授業でもデジタルデバイスを活用するというライフスタイルが一般化しています。一方、ミレニアル世代(Y世代)はインターネットの登場を「経験」として記憶していますが、Z世代にとってインターネットは「最初からあるもの」です。
この「デジタルが空気のような存在」という感覚が、Z世代の行動様式・情報処理・コミュニケーション方法すべてに影響を与えています。たとえばZ世代は、テレビより先にスマホで情報を得て、商品購入前には必ずSNSやレビューサイトをチェックします。
デジタルネイティブの具体的な特徴や背景、マーケティングへの活かし方については、以下の記事で詳しく解説しています。
.png?w=900&h=506)
Z世代の価値観を一言で表すなら、「多様性・個性・サステナビリティ」です。自分らしさを大切にし、他者の個性も尊重するインクルーシブな考え方が根付いています。
たとえば、LGBTQ+への理解や人種・ジェンダーの多様性を重視する姿勢は、Z世代において特に顕著です。企業や商品に対しても「社会的責任を果たしているか」「環境に配慮しているか」を評価基準にするケースが増えています。エシカル消費(倫理的消費)やサステナブルブランドへの関心も高く、ファストファッションよりも長く使えるものを選ぶ傾向があります。
また、「精神的な豊かさ」を重視し、所有より体験・物より思い出を大切にする傾向も見られます。SNSにシェアする「映え体験」への投資を惜しまない一方で、コストパフォーマンスにも敏感という二面性も持っています。
Z世代の消費行動は、従来の「広告を見て購入する」モデルとは大きく異なります。彼らは信頼できる情報源(友人・インフルエンサー・レビュー) を最優先し、企業の公式広告よりも口コミやUGC(ユーザー生成コンテンツ)を重視します。
購買プロセスを見ると、TikTok・Instagramで商品を発見し、YouTubeのレビュー動画で詳細を確認し、ECサイトのレビュー欄を読んだ上で購入を決定するという多段階の情報収集が標準的です。この流れは「ソーシャルコマース」とも呼ばれ、SNSが販売チャネルと化しています。
また、Z世代は「推し活」文化を体現する世代でもあります。好きなアーティストや作品に関連するグッズ・体験に積極的に投資し、その消費を仲間とシェアすることで承認欲求と帰属意識を満たしています。
推し活マーケティングンの具体的な特徴、詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
.png?w=900&h=506)
Z世代の情報収集はスマートフォンを中心に展開し、検索エンジンよりもSNS検索を優先する傾向があります。Googleよりも先にInstagramやTikTokで検索する「SNS検索行動」は、マーケティング業界に大きな変革をもたらしています。
たとえば、新しいカフェを探すときに「Googleマップ」ではなく「Instagramで #渋谷カフェ を検索する」、旅行先を決めるときに「旅行会社のサイト」ではなく「TikTokで現地の雰囲気を動画確認する」という行動が一般的です。
また、Z世代は情報の信頼性を多面的に判断します。「公式情報」より「第三者の本音」を重視し、PRタイアップ(広告)と有機的な口コミを見分ける目も持っています。過剰な広告臭のあるコンテンツにはすぐに気づき、スルーする傾向があります。
Z世代の働き方観は、上の世代と大きく異なります。「仕事のために生きる」のではなく、「人生を豊かにするために働く」 というワークライフバランス重視の姿勢が強く、フレキシブルな働き方・リモートワーク・副業への関心が高いです。
また、Z世代は「会社への忠誠心」よりも「自分のスキルアップや成長」を優先します。自分の市場価値を高められない職場には長く留まらず、転職・フリーランス・起業を積極的に検討する傾向があります。
一方で、Z世代は心理的安全性も重視します。上司や職場環境のハラスメントには敏感で、「話しやすい職場」「失敗を許容する文化」を重要視します。企業が採用・定着率を高めるためには、この価値観への対応が不可欠です。
Z世代の個性を正確に理解するには、他の世代との比較が欠かせません。X世代・Y世代(ミレニアル世代)・α世代それぞれとの違いを整理しながら、Z世代のユニークな立ち位置を明らかにします。
各世代の定義を整理すると、以下のようになります。

X世代はアナログとデジタルの橋渡し世代であり、Y世代はPCの普及とともに成長した「デジタル移民」の一歩先を歩む世代です。α世代はAIやVRが日常に溶け込む環境で育つ、未来の消費者です。
ミレニアル世代(Y世代)とZ世代は、しばしば混同されますが、育ってきた環境と価値観には明確な違いがあります。
比較項目 | Y世代(ミレニアル世代) | Z世代 |
|---|---|---|
インターネット経験 | 途中からデジタル化を経験 | 生まれながらのデジタルネイティブ |
SNSの使い方 | Facebook・Twitter中心 | Instagram・TikTok・BeReal中心 |
消費スタイル | Facebook・Twitter中心 | コスパ・エシカル・推し活重視 |
働き方 | 安定志向(一方で転職も積極的) | 成長・柔軟性・精神的安全性重視 |
情報収集 | Google検索中心 | SNS検索・動画中心 |
最も大きな違いは「デジタルとの関係性」です。Y世代は成長の途中でデジタル化を「体験」した世代ですが、Z世代にとってデジタルは生まれたときから「当たり前」の存在です。この差が、情報処理速度・コミュニケーション手法・消費行動のすべてに影響しています。
Z世代の次に控えるα世代(2013年頃以降生まれ)は、さらにデジタル化が進んだ環境で育っています。
.png?w=900&h=502)
Z世代はSNSによる「つながり」を価値の中心に置きますが、α世代はAIとの共同作業が当たり前となる世界で育ちます。企業はすでにα世代を意識したコミュニケーション設計も始める必要があります。
α世代の具体的な特徴や背景、マーケティングへの活かし方については、以下の記事で詳しく解説しています。
.png?w=900&h=506)
Z世代の価値観や行動様式は、実際のヒット現象の中に色濃く反映されています。ここでは、日本国内でZ世代を中心に話題となった3つの事例を取り上げ、その背景にある心理と消費行動を読み解きます。
2010年代後半から2020年代にかけて、韓国発のオーディション番組(「PRODUCE 101」シリーズや「I-LAND」など)が日本のZ世代の間で大きなブームとなりました。視聴者がSNSで投票・応援し、自分の一票がアイドルグループの誕生に直接関与できるという「参加型エンターテインメント」が、Z世代の承認欲求・共感・仲間意識と完璧にマッチしました。
この現象の背景には、「消費者から参加者へ」という意識変化があります。Z世代は一方的にコンテンツを受け取るだけでなく、自分が物語の一部になれる体験を求めています。投票結果をリアルタイムでSNSにシェアし、推しの順位を応援する活動が、TikTokやTwitterで拡散されることで、番組自体のプロモーションにもなっていました。
オーディション番組の魅力に関する内容は以下の記事で詳しく解説しています。

「今日好きになりました(今日好き)」は、AbemaTVで配信されている恋愛リアリティ番組で、Z世代を中心に爆発的な人気を誇ります。10代の男女が旅行先で出会い、リアルな恋愛模様を見せるという構成が、視聴者の共感・感情移入を生み出しています。
この番組の成功要因として注目されるのは、「SNSとの連携設計」 です。出演者のInstagramアカウントへのフォロワーが番組放送後に急増し、出演者がインフルエンサー化するサイクルが生まれています。視聴者は出演者のSNSをフォローすることで「番組が終わっても推しとつながれる」体験を得られ、コンテンツへのロイヤルティが持続します。
Z世代にとって、コンテンツは「視聴して終わり」ではなく、SNSを通じて日常に溶け込む体験であることを示す好例です。
「ラブブ」は、香港のデザイナーブランド「POPMART(ポップマート)」が展開するデザイントイ(アートトイ)で、2024年頃から日本のZ世代・ミレニアル世代の間で大流行しました。
この流行の最大の特徴は、「ブラインドボックス」形式にあります。箱を開けるまで何のキャラクターが入っているかわからないという「ガチャガチャ感覚」が、SNS映えと開封動画コンテンツを生み出し、TikTokやInstagramで爆発的に拡散されました。
Z世代にとって、この商品は「モノを買う」というより「体験を買う・シェアする」という行為です。開封動画を投稿する・推しのキャラクターを集める・限定品を入手する、といった一連の行動が、コミュニティ形成と自己表現の場になっています。企業がZ世代に向けた商品設計を考える際の非常に示唆に富む事例です。
ココがポイント!

監修者
ラブブのヒットが示すのは、Z世代の「購買行動の起点が所有欲ではなく、体験とシェアにある」という変化です。 ブラインドボックスという設計は単なるサプライズ演出ではなく、「開ける瞬間」をコンテンツ化させ、購買者がそのままクリエイターになる仕組みを商品の中に内包しています。 企業がZ世代向けの商品設計を考える際に問うべきは、「この体験はシェアしたくなるか」「購買後にコミュニティが生まれるか」の2点。モノの品質よりも、体験の設計と拡散の導線こそが競争軸になっていると感じます。
Z世代に効果的にアプローチするには、従来の広告手法では通用しません。デジタルファーストで、共感・参加・信頼を重視するZ世代の特性に合わせた戦略が不可欠です。5つのアプローチから具体的な戦略を解説します。
Z世代へのマーケティングは、「スマホ完結」を前提に設計することが大原則です。WebサイトのモバイルUI・読み込み速度・UX(ユーザー体験)の最適化はもちろん、コンテンツもスマホの縦型画面に最適化した形式(縦型動画・縦型バナーなど)で展開する必要があります。
また、Z世代は広告に対するリテラシーが高く、あからさまな宣伝は瞬時に見抜いてスキップします。そのため、「コンテンツマーケティング」(役立つ情報・エンターテインメント性のあるコンテンツ提供)が有効です。たとえば、商品の使い方動画・比較コンテンツ・Q&A形式の記事など、消費者が「自分のために書かれた」と感じるコンテンツが効果を発揮します。
SEO(検索エンジン最適化)と並行して、SNS上での「発見性」を高めるSEO的アプローチ(TikTok SEO・Instagram SEOなど)も今後ますます重要になっています。
Z世代マーケティングに関する内容は以下の記事で詳しく解説しています。

Z世代が最も多くの時間を過ごすのはSNSです。特にTikTok・Instagram・YouTubeの3プラットフォームは必須といえます。
SNS | Z世代の使い方 | マーケティング活用法 |
|---|---|---|
TikTok | トレンド発見・エンタメ消費検索 | 短尺動画・ハッシュタグチャレンジ |
映え投稿・情報収集・ショッピング | リール・ストーリーズ・ショッピング機能 | |
YouTube | 深掘りレビュー・学習・娯楽 | 長尺レビュー動画・Shorts |
X(旧Twitter) | リアルタイム情報・推し活 | トレンドタグ活用・ライブ実況 |
各SNSの特性に合わせてコンテンツを最適化し、プラットフォームをまたいで一貫したブランドイメージを発信することが重要です。特にTikTokはZ世代の発見プラットフォームとして今や欠かせない存在です。
Z世代は企業の公式広告よりも、信頼できる第三者の声(口コミ・レビュー・リアルな投稿) を重視します。そのため、インフルエンサーマーケティングとUGC(ユーザー生成コンテンツ)の戦略的活用が非常に効果的です。
特に注目されているのは「マイクロインフルエンサー(フォロワー数1万〜10万人程度)」の活用です。フォロワー数が少ない分、エンゲージメント率(いいね・コメント・シェア率)が高く、特定のニッチなコミュニティへのリーチが可能です。Z世代はフォロワー数よりも「このインフルエンサーは本音を言っている」という信頼感を重視します。
UGCの促進策としては、ハッシュタグキャンペーン・投稿コンテスト・商品モニター募集などが有効です。消費者が自発的にブランドの情報を発信してくれることは、最も費用対効果の高い広告手法のひとつです。
Z世代は「モノ」よりも「体験」に価値を見出す傾向があり、ブランドとのリアルな接点を求めています。そのため、体験型マーケティング(エクスペリエンシャルマーケティング) が効果的です。
具体的な施策例としては、ポップアップストア・体験型イベント・AR/VRを活用したデジタル体験・商品の試作参加型ワークショップなどが挙げられます。たとえば、コスメブランドがポップアップイベントで「その場でパーソナライズした商品を作れる体験」を提供し、参加者がSNSに投稿することでオーガニックな拡散が生まれた事例があります。
体験型キャンペーンの成功のカギは、「SNSでシェアしたくなるデザイン」にあります。映える空間・インスタ映えするフォトスポット・参加することで得られる限定特典などが、Z世代の投稿意欲を高めます。
Z世代へのリーチには、彼らが熱狂するコンテンツへのスポンサーシップ(協賛・タイアップ)も有効な手段です。特にeスポーツ・音楽フェス・YouTubeチャンネル・オーディション番組などへの協賛は、ブランドをZ世代の日常の一部に溶け込ませる効果があります。
ただし、Z世代はスポンサーシップの「透明性」を求めます。「PR」「広告」と明記せずに商品をさりげなく紹介するステルスマーケティングは、発覚した際にブランドへの信頼を大きく損ないます。日本でも2023年に景品表示法が改正され、ステルスマーケティングが規制対象となっています。正直な広告表記のうえで、コンテンツとの自然な融合を目指すことが長期的なブランド信頼につながります。

Z世代(1996〜2012年頃生まれ)は、スマートフォンとSNSが当たり前の環境で育ったデジタルネイティブ世代であり、多様性・個性・サステナビリティを重視する独自の価値観を持っています。
ミレニアル世代(Y世代)との最大の違いは「インターネットとの関係性」であり、Z世代にとってデジタルは生まれながらに存在するインフラです。消費行動においてはSNS口コミやUGCを重視し、体験・推し活・エシカル消費を大切にします。
マーケティング戦略としては、以下の5つのアプローチが効果的です。
