NECパーソナルコンピュータがZ世代の"生の声"からAI PCの訴求の糸口を見出すまで

最終更新日:
2026/04/03
NECパーソナルコンピュータがZ世代の"生の声"からAI PCの訴求の糸口を見出すまで

監修者

  • 國井 桃花

    ReBear合同会社
    リードマーケター

    早稲田大学卒業後、楽天グループ株式会社に入社。営業を経験後、時間と場所にとらわれない働き方に憧れ、楽天を退社しノマドの聖地と呼ばれる東欧ジョージアに移住。Webスキルを学んでフリーランスに転身し、ReBearにWebデザイナー兼SNSマーケターとして参画。 現在はaZリサーチのリードマーケターとして、サービスの運営や拡大に関わっている。

    國井 桃花
    ReBear合同会社
    リードマーケター
    國井 桃花

NECパーソナルコンピュータ株式会社は、「LAVIE」ブランドを中心に、個人向け・法人向けのパソコンを幅広く展開する国内有数のPCメーカーです。 同社では、Z世代の大学生をメインターゲットとしたノートPC「LAVIE SOL」を展開しており、初代モデルではZ世代自身が商品企画に携わるという取り組みを行ってきました。2025年10月に発売された最新モデルでは新たにAI機能が搭載され、Z世代にとってAI PCがどのような価値を持つのかを把握することが重要なテーマとなっていました。 そこで、ターゲットであるZ世代のリアルな声を捉えるためにaZリサーチを活用いただきました。本記事では、今回の調査に至った背景や、aZリサーチを通じて得られた気づきについて、プロジェクトを担当された森部さんにお話を伺います。

目次

AI機能がZ世代にどれだけ刺さるのか、生の声で確かめたかった

― どのような社内課題や状況があり、今回 aZリサーチを活用されたのでしょうか?

森部さん:
初代のLAVIE SOLは、Z世代自身が商品を企画し、形にするというコンセプトで始まりました。その後、昨年10月に発売したモデルからはAI機能が新たに搭載されたこともあり、AI機能がZ世代にどれくらい刺さるのかを確認したいという思いがありました。

もちろん、LAVIE SOLを発売した後のフィードバックは継続的に収集していましたが、それが実際のZ世代の感覚とマッチしているのかを検証したかったのです。つまり、Z世代のPCに対するニーズを改めて確認することが今回の目的でした。

― 若年層・Z世代に注目するようになったのは、どのようなきっかけがありましたか?

森部さん:
Z世代の中でも大学生をターゲットとした商品開発は、LAVIE SOLを発売する7〜8年前から取り組んでいました。しかし、競合他社の販売数にはなかなか追いつけなかったというのが実情です。

また、商品自体は一般ユーザー向けと法人向けを共通設計で開発・商品化するケースがありました。商品を作るにはある程度のボリュームが見込めないと成り立たないため、法人向けと個人向けを共通の設計で作っていたのですが、その結果として中途半端なものになってしまい、Z世代には響いていなかったのです。

― aZリサーチの利用で、特に明らかにしたいと考えていたことはなんですか?

森部さん:

AI PCを今後立ち上げていく中で、Z世代の方たちがPCやスマホのAIに対してどれくらいの距離感で接しているのかを把握したいと考えていました。

PC業界全体のトレンドとして、「AI PC」を広く普及させたいという動きがあります。そのため、競合他社もAIを効率的に処理できるチップを搭載したPCの開発に注力しており、マイクロソフト社も同様の方向で動いています。しかし、市場としてはまだうまく立ち上がっているとは言い難い状況です。だからこそ、どのような形であればZ世代に刺さるのかを知りたかったのです。

上記は担当者の森部さん

Z世代がZ世代にインタビューするというコンセプトに惹かれた

― 数ある調査会社の中で、aZリサーチを選ばれた理由を教えてください。

森部さん:
ターゲットユーザーに最も近い存在であるZ世代がZ世代にインタビューするというコンセプトに惹かれました。大人の思惑が入らない生の声が聞けると思いましたし、同世代が聞き手だからこそ、回答者も話しやすいのではないかという期待もありました。

通常のユーザー調査で定量・定性を行うと、どうしても調査会社の過去の経験や企業側の意図が入り込んでしまうと感じています。今回はそうしたバイアスを一切排除し、Z世代がZ世代にヒアリングする形を取りたかった。その方が、大人の思惑を介さずに、生の声を聞けるだろうと考えたのが選定の理由です。

スマホは"友達感覚"、PCは"効率化ツール"——AIの使い分けに明確な線引きがあった

― 最終成果物を見て、特に驚いた発見や印象に残った気づきはありましたか?

AIとの距離感を調べるという観点では、Z世代はスマホでChatGPTやGeminiなどに慣れ親しんでおり、AIに対する抵抗感はないということが分かりました。

ただ、印象的だったのは、AIの使い方がPCとスマホでまったく異なっていたという点です。スマホではより友達感覚でAIを使っている一方、PCではレポートを効率的に進めるためのツールとして使われていました。そこにははっきりとした線引きがあるのだと気づかされました。

調査結果を商戦期の訴求に即座に反映

― 社内での反応や変化はありましたか?

森部さん:
ちょうど商戦期の訴求内容を検討するタイミングだったため、調査結果をすぐに社内へ共有しました。大学生向けの訴求の一つとして、「レポートを効率的に進めるツールとしてAIが非常に有用である」というメッセージを整理し、AIを使うのであればCopilotにはこういった利点がある、という情報とあわせて社内に展開しました。

理想としてはスマホのように日常的にAIを使ってもらいたいのですが、まずはレポート作成だけでもPCのAI機能を活用してもらえればと考えています。Copilotボタンの搭載や、上位モデルの「Copilot+ PC」ではAI機能がさらに充実しています。ゆくゆくはそちらへの関心を高めていきたいという意図がありますが、まずはPCのAI機能に触れてもらうことが第一歩だと考えています。

― 今回の結果を踏まえて、どのような次の展開を構想されていますか?

森部さん:
まずは大学生向けの訴求の中で、レポート作成の効率化という文脈でAIの有用性を伝えていくことです。その中で、CopilotをはじめとしたPCのAI機能の活用を促進していきたいと考えています。

建前ではなく本音を引き出せるリサーチを

― 今回の調査を通じて感じられた aZリサーチの一番の強みは何でしょうか?

森部さん:
今回はお試しに近い形でお願いしましたが、ユーザーヒアリングとしてコストパフォーマンスが非常に良かったと感じています。また、ヒアリングを担当する方自身がZ世代である点も良かったですね。

― 今後の aZリサーチ への期待や要望があれば教えてください。

森部さん:
調査では、定量でも定性でも、回答者はどうしても特殊な環境に置かれるため、着飾った回答になりがちだと感じています。
よく聞く話ですが、例えばある調査では黒と白のお皿を用意したところ、調査員の前では「黒いお皿は高級感があっていいですね」と話していた人が、最後に持ち帰る際には無難な白いお皿を選んでいる、というようなことがあります。

建前と本音が異なるケースは少なくないので、いかに本音を引き出せるかというところをさらに追求していただけると、より価値のあるリサーチになると思います。

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