Z世代のワールドカップ熱狂度は過去最高!?「タイパ」を超えた共感消費とコミュニティの実態調査

最終更新日:
2026/10/26
Z世代のワールドカップ熱狂度は過去最高!?「タイパ」を超えた共感消費とコミュニティの実態調査

監修者

  • 荒川 力哉

    ReBear合同会社
    CEO

    早稲田大学在学中に営業代理店を立ち上げ、2年で4億円を売り上げ、100名規模の支店責任者を務める。SHOWROOM株式会社に1人目の新卒として入社し、新規事業部に配属。toC向け動画配信サービス「smash.」の立ち上げに参画し、2年間で200万DLを達成。更に10以上の新規のプロジェクト立ち上げに関わる。2021年8月、CEOとしてReBear合同会社を創業。

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    荒川 力哉
    ReBear合同会社
    CEO
    荒川 力哉

「若者のテレビ離れ・スポーツ離れ」が囁かれる中、今年のワールドカップはZ世代の間でかつてない盛り上がりを見せています。本調査では、Z世代を対象にワールドカップ観戦に関するアンケートを実施しました。

目次

調査サマリー

  1. 新規層の爆発的増加: Z世代の半数以上(58%)が今回・前回大会からの「新規・ライト層」。
  2. 観戦のトリガーは「共感」: 視聴の最大の理由は「友人が観ているから」「SNSで話題だから」。
  3. リアルコミュニティは求めない: 観戦状況は「ひとり」と「家族」で計60%。外での集まりよりも身内・プライベート空間での消費がメイン。
  4. タイパ度外視の熱狂: 平日早朝5時の試合でも72%が視聴。全3試合観戦者も55%に上る。
  5. 選手への「推し活」消費: 注目選手トップは上田綺世選手。プレー以外の要素を含めた「推し活」視点での応援も多数。

調査概要

  • 調査対象: Z世代(18〜28歳)100名
  • 調査方法: インターネット調査
  • 調査テーマ: ワールドカップに関する観戦実態・コミュニティ調査

観戦スタイルは「プライベート空間」優先。リアルコミュニティは求めない

「一番多かった状況」のトップは「ひとりで(31%)」でした。これに「家族・親戚と(29%)」を合わせると、全体の60%に達します。「学校や職場の友人(29%)」や「恋人(9%)」も一定数いますが、過半数は自宅などのプライベートな閉じた空間で観戦していることがわかります。Z世代は、スポーツバーで大勢と騒ぐような「リアルな外部コミュニティ」をわざわざ求めているわけではなく、あくまで自分のペースや身内のコミュニティの中でW杯を消費している実態が浮かび上がります。

メインの観戦場所は「自宅(テレビ)が64%」で圧倒的トップ。「自宅(スマホ)は20%」でした。外部の飲食店やパブリックビューイングに出向くよりも、自宅で安全・快適に観戦するスタイルが主流です。

「試合を観るだけで特に何もしない(34%)」層がいる一方で、「SNSの投稿を確認している(21%)」「友達・知人とLINEしている(16%)」「通話している(14%)」など、物理的には一人・家族と居ながらも、デジタル上でリアルタイムに感情を共有する層が多く見受けられます。

深夜・早朝でも観る!タイパを超える「ライブの価値」

日本代表の全3試合(オランダ戦、チュニジア戦、スウェーデン戦)を「すべて観た」と回答した熱狂的な層は全体の55%に上りました。

また、試合ごとの視聴率を見ると、日曜13:00のチュニジア戦(77%)だけでなく、金曜8:00のスウェーデン戦が79%、さらには平日早朝である月曜5:00のオランダ戦も72%と非常に高い視聴率を維持しています。時間帯による視聴離れも大きくは見られず、日本の試合であれば生活リズムを変えてでも観戦するという強いモチベーションが伺えます。

「優勝(34%)」が最多。「ベスト16(24%)」「ベスト8(21%)」を上回り、Z世代の日本代表に対する高い期待値とポジティブなムードが現れています。

「絶対に観る(52%)」「おそらく観る(26%)」を合わせ、実に78%が深夜2時キックオフの試合を観戦する意向を示しました。普段は動画を倍速視聴する「タイパ重視」のZ世代ですが、W杯だけは「リアルタイムで熱狂を共有する価値」が勝るようです。

注目選手と「推し活」、そして大会後の広がり

注目トップは「上田綺世選手(17票)」、次いで「中村敬斗選手(10票)」、「伊東純也選手・久保建英選手・鈴木彩艶選手(各9票)」と続きました。

理由は「プレースタイル(63%)」が主ですが、「知人からの紹介(13%)」「外見・ファッション(12%)」「背景やストーリー(9%)」など、プレー以外の「推し活」要素をフックに選手を応援している層が約3割存在します。

「なし」が45%で最多。自国のトレンドとしてW杯を消費している層が多い中、「メッシ選手(14票)」や「エムバペ選手(3票)」など、SNSでも頻繁に切り抜き動画が回ってくる世界的スターはしっかりと認知されています。

「次回もワールドカップだけは観ようと思った」という層が26%います。 彼らは日常的にサッカーを観る(リーグ戦などを追う)コアファンにはならないものの、「4年に1度の国民的イベント・お祭り」としては参加意欲を見せています。Z世代にとってW杯が「純粋なスポーツ観戦」というよりも、ハロウィンやクリスマスに近い「定期的なイベント消費(トレンド消費)」として定着していることがうかがえます。

「いつか観に行きたい(52%)」「日本やアジア諸国なら(24%)」「次回大会は(14%)」と、9割以上のZ世代があくまで将来的な現地での熱狂(リアル体験)に強い意欲を見せました。

  • 監修者

    監修者

    ここがポイント!

    今回の調査で注目すべきは、Z世代のワールドカップ観戦が、単なるスポーツへの関心だけでなく、「周囲と同じ熱狂を共有したい」という共感意識によって広がっている点です。特に、友人やSNSでの盛り上がりをきっかけに観戦を始める一方で、実際の観戦は自宅などのプライベート空間が中心となっており、必ずしも同じ場所に集まることを求めていないという特徴が見られます。また、普段はタイムパフォーマンスを重視するといわれるZ世代も、価値を感じる体験には時間を惜しまない可能性が示されました。今後のZ世代向けマーケティングでは、単に情報を届けるだけでなく、「今、この瞬間を誰かと共有したい」と思える体験を設計することが重要です。SNSを通じて自然に会話や共感が生まれる仕組みをつくり、日常の中で無理なく参加できる接点を提供することが、若年層の関心を高める鍵になると考えられます。

まとめ

Z世代にとってワールドカップは、単なる「スポーツの世界大会」から、「参加しないと会話に乗り遅れるトレンド」へと意味合いを変化させています。

特筆すべきは、彼らが求めているのはスポーツバー等での「リアルな場の共有」ではなく、あくまで「自宅(ひとり/家族)から、スマホ越しに社会の熱狂とつながる」というデジタル起点での共感消費だという点です。

早朝・深夜の試合であっても観戦を選ぶ彼らの行動からは、「その瞬間の熱量を取り逃がしたくない」という強い欲求が読み取れます。今後の若年層向けマーケティングにおいては、リアルイベントへの誘導にこだわりすぎず、彼らのプライベート空間に届く「SNSでの話題作り」と、初心者でも入りやすい「推し活的な視点」を組み合わせることも、有効な施策の一つと考えられます。

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